研究紹介

● 分泌型マイクロRNA診断デバイスの開発

(COINS / JST 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) の支援を受け推進中)

血液や尿、唾液などの体液に含まれるマイクロRNA (miRNA) が、様々な疾患の診断に革新をもたらす有望なバイオマーカー候補として注目されています。miRNA診断の臨床応用に向けて、バイオマーカー開発とともに、簡便かつ信頼性のある診断機器の開発を協同して進めてゆくことが肝要です。特に、小型で自動化されたmiRNA検出装置を実現できれば、将来のmiRNA診断の広い普及につながると期待されます。当研究室では、体液中の分泌型miRNA検査による低侵襲がん診断の実現を目指し、疾病エクソソーム、バイオデバイス、バイオ界面工学、高感度生体分子検出等の専門家から成る研究開発チームを編成して、マイクロ流体デバイス技術を用いた検体の前処理とDNAマイクロアレイによるmiRNA解析を統合した集積バイオデバイスの研究開発を進めています。

● ナノ粒子解析プラットフォームの開発

(COINS / JST 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM) の支援を受け推進中)

エクソソームは、細胞が分泌するナノベシクルの一種です。がんをはじめとする難治疾患の早期検出や治療効果判定に利用できる疾病マーカー候補として注目されており、さらに、核酸医薬の薬物送達システム (DDS)、間葉系幹細胞由来エクソソームによる再生医療等、治療応用への期待も高まりつつあります。しかし、直径が数10 ~100 nm、かつ、不均質な粒子集団を分析・同定することは難しく、細胞外小胞の研究者の間で新たなナノ粒子の分析手段を求める声が高まっています。当研究室では、マイクロ流路デバイスを用いる免疫粒子電気泳動法の原理に基づいたナノ粒子解析装置の開発を進めています。本装置は、ナノ粒子検出に最適化したマイクロチップと光学装置により、直径50 nm に満たない微小粒子を個々に検出し、ナノ粒子集団の「濃度」、「粒子径分布」、「表面電位」、「表面抗原性」等の指標に基づく評価を可能にします。

● アレイ型高速分子進化システムの開発

JST リサーチコンプレックス推進プログラムの支援を受け推進中)

医療・診断分野を筆頭に、食品加工やエネルギー生産など多くの分野において、酵素や抗体、ペプチドや核酸といった高機能性生体高分子の開発が求められています。当ラボでは、高機能性生体高分子の開発手法として用いられている進化分子工学と、半導体製造で用いられる微細加工技術を統合することにより、高集積化マイクロアレイチップ上で生体高分子の人工進化を行う次世代型高速分子進化システムの開発を進めています。本技術は、解析可能な変異体分子数を劇的に向上させる(1チップあたり数百万種以上)とともに、取得した機能性データの定量的解析を元に戦略的な人工進化を行うことで、高機能性生体高分子の開発効率の大幅な向上を目指しています。

● 生物に学ぶ機能性高分子材料の開発

(卓越研究員事業、科研費若手Bの支援を受け推進中)

人類は古来より自然や生物から多くのことを学び、模倣し、恩恵を受けてきました。一方で近年、ナノテクノロジーと分子生物学が急速に発展したことで、生物のナノ・分子レベルでの理解が大幅に深まりました。そのため生物模倣の科学は新たな局面を迎えています。本研究では、蓄積された生体分子の構造と機能に関する情報を基に独自に分子を設計し、化学の力を駆使して合成します。さらに最新のナノ・バイオテクノロジーを併用することで、環境問題や先端医療に資する機能性高分子材料の開発を進めています。

● 体内診断・治療を実現するインプラントLSIデバイスの開発

(科研費若手Bの支援を受け推進中)

機能性ナノ・バイオマテリアルを用いた生体のセンシング技術及び治療技術は、診断(diagnostics)・治療(therapy)の一体化である”Theranostics”を実現する新たな医療技術として注目されています。本研究では、半導体フォトニックLSIチップと光応答性材料であるバイオ光学素子を複合化した生体光センシング・光治療一体型デバイスシステムの研究を進めています。LSIチップを構成する金属材料・半導体材料と生体機能に作用する高分子材料・生体材料を独自のプロセス技術開発によりデバイス集積化し、体内で機能を発揮するインプラントLSIデバイスの開発を目指します。

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